東京の保育士の宿舎借り上げ制度とは?補助金額はどのくらいなのか

公開日:2023/05/25   最終更新日:2023/10/06
お金

東京都の保育士には、宿舎借り上げ制度があります。これは保育士の離職や再就職の困難さを軽減するための制度で、家賃の全額もしくは一部が負担されるのです。結婚やパートナーとの同棲をしていても補助の対象になる場合もあるので、各保育園や自治体に確認しましょう。補助金額や対応していない地域についても解説します。

東京における保育士の「宿舎借り上げ制度」とは?

保育士の宿舎借り上げ制度とは、保育園が管理する住宅もしくは保育園に従事する人が利用する家賃補助制度のことです。

寮と家賃補助をひっくるめた制度ともいえます。保育にかかわる人材確保のために導入された制度で、基本は東京都で決められていますが、各自治体や保育園によって少し違う点もあるのが特徴です。

保育園が貸し出す賃貸

宿舎借り上げ制度は、保育園が住む場所を提供するもしくは、保育園に従事する人が住んでいる住宅の家賃補助をする制度です。保育園が貸し出している賃貸といえばイメージしやすいでしょう。会社の寮と家賃補助制度をひとつにした制度ともいえます。

一人暮らしをすると、自分が想像しているよりもお金がかかるものです。内訳の1/3ほどを占めるのが家賃。制度を利用すれば、家賃の負担を軽減することができるので、生活を豊かにすることができます。貯金に回せる余裕も出るでしょう。

家賃の一部もしくはすべてを負担

制度では、家賃の一部もしくはすべてを負担してくれます。保育園が提供している宿舎でも、自身が借りている賃貸でもかまいません。保育園によって対象となる物件は異なりますが、対象物件の家賃を補助します。

金額が決まっているので、限度内であれば実質無料。家賃にかかる金額を給与として自分の懐に納められます。貯金をしたい人や一人暮らしで節約したい人にはおすすめの制度です。

保育に関わる人材確保のため

なぜこの制度ができたのか、というと、保育にかかわる人材確保のためです。保育はこれまで、低賃金で拘束時間が長いとマイナスなイメージがありました。離職率が高く、新人の4人に1人が退職するというデータも存在します。

待機児童も社会問題となっており、打破するために保育に関わる人材を確保するために精度を設けました。賃金が低い保育士にとって、家賃が負担してもらえるのはとても助かります。生活の質を上げることで、離職を抑えようという取り組みです。

宿舎借り上げ制度の補助金額は?

宿舎借り上げ制度の補助金額は、東京都で一律82,000円です。区によっては、金額の上乗せや、区外に住む人の補助額を上げるなどの違いがあります。国が決めた制度23区外では対応していない保育園もあるので、就職時に確認しておきましょう。

東京都は一律82,000円

東京都は一律82,000円の補助が出ます。内訳として、半分は国の補助、もう半分が東京都と各自治体の補助です。東京都の家賃相場は平均で10万円。そのうちの8割を負担するので、かなり固定費の負担が減ります。自分が出せる余裕を考えて、少し家賃の高い家に住むという選択肢が出せることもメリットです。

23区外は適応していない場合も

23区外は補助の対応をしていないところもあります。自治体によって異なるので、募集要項や面接などで確認しましょう。また、23区内でも補助額が異なる区があります。住所が区内か区外かで補助額が違うので、希望勤務地がどのように制度を適応させているのかを知っておくべきです。

わからず82,000円だけを頭に入れていると、損をしてしまう場合があります。できるだけ安く物件を借りるために、制度の適応範囲や金額を確認してからエントリーするのも方法のひとつです。

同棲や結婚していても利用できる?

同棲や結婚をしていても制度の利用は可能です。しかし、単身者のみや正社員優遇といった条件がある可能性は高いので、各保育園への確認は必須。パートナーが家賃補助を受けていると、保育園からの補助が受けられないことがあるので、こちらも確認しておきましょう。

基準は保育園による

同棲や結婚をしている場合でも、制度は受けられます。しかし、基準は保育園が決めているので、職場によっては物件に住めないなどの制限がかかるかもしれません。すでに借りている家も家賃補助の対象となっているかを知る必要があります。

また、制度を受ける前提で保育園を探すのであれば、募集要項に明記されているか、保育園のホームページに記載されているか、などの情報収集をしましょう。

各自治体や保育園の条件を確認しよう

詳しい条件は、保育園個人が定めています。各自治体によって条件を変えていることもあるので、居住区や職場のある区の条件を比べ、メリットの大きい場所で職場を探すのもよいでしょう。保育士にとって、家賃補助はとても大切な福利厚生です。

生活の質がガラリと変わります。各自治体や保育園の条件を確認することで、自分の暮らしを変えることになるので、条件の確認はマストです。

まとめ

東京都の宿舎借り上げ制度は、保育に関わる人材確保のために作られた制度です。家賃の全額もしくは一部を国や保育園が負担することで、離職や再就職への尻込みをなくそうという目的があります。

東京都は82,000円の負担が最低限となっており、区によってはもう少し高い額の補助が出る地域も存在。一人暮らしをする人にとって、大きく生活の質が変えられる補助です。同棲や結婚をしていても制度が受けられます。

しかし、単身者のみや家賃補助のみ受けられるなどの制限があるケースも考えられるでしょう。条件は各保育園や自治体によって違う場合があるので、職場に確認してください。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

保育士の年収は地域によって大きく異なりますが、東京都は448万円とほかの地域と比べて高い水準にあります。では、なぜ東京での保育士の収入は高い傾向にあるのでしょう。 この記事では、東京都の保育
続きを読む
子どもとうまく接することができず、悩んでいる保育士さんは意外と多いものです。しかし、子どもの特性を理解し、上手に接するための工夫をすれば子どもとうまくかかわれます。本記事では、子どもとうまく
続きを読む
給与面の不満や、人間関係の不和が原因で、現在の職場から転職したい保育士もいることでしょう。転職する際は、給与面や職場環境など、様々な条件を考慮する必要があります。本記事では、保育士が転職先を
続きを読む