東京の保育士の宿舎借り上げ制度とは?補助金額はどのくらいなのか

公開日:2023/05/25   最終更新日:2024/08/27
お金

東京都の保育士には、宿舎借り上げ制度があります。これは保育士の離職や再就職の困難さを軽減するための制度で、家賃の全額もしくは一部が負担されるのです。結婚やパートナーとの同棲をしていても補助の対象になる場合もあるので、各保育園や自治体に確認しましょう。補助金額や対応していない地域についても解説します。

東京における保育士の「宿舎借り上げ制度」とは?

保育士の宿舎借り上げ制度とは、保育園が管理する住宅もしくは保育園に従事する人が利用する家賃補助制度のことです。

寮と家賃補助をひっくるめた制度ともいえます。保育にかかわる人材確保のために導入された制度で、基本は東京都で決められていますが、各自治体や保育園によって少し違う点もあるのが特徴です。

保育園が貸し出す賃貸

宿舎借り上げ制度は、保育園が住む場所を提供するもしくは、保育園に従事する人が住んでいる住宅の家賃補助をする制度です。保育園が貸し出している賃貸といえばイメージしやすいでしょう。会社の寮と家賃補助制度をひとつにした制度ともいえます。

一人暮らしをすると、自分が想像しているよりもお金がかかるものです。内訳の1/3ほどを占めるのが家賃。制度を利用すれば、家賃の負担を軽減することができるので、生活を豊かにすることができます。貯金に回せる余裕も出るでしょう。

家賃の一部もしくはすべてを負担

制度では、家賃の一部もしくはすべてを負担してくれます。保育園が提供している宿舎でも、自身が借りている賃貸でもかまいません。保育園によって対象となる物件は異なりますが、対象物件の家賃を補助します。

金額が決まっているので、限度内であれば実質無料。家賃にかかる金額を給与として自分の懐に納められます。貯金をしたい人や一人暮らしで節約したい人にはおすすめの制度です。

保育に関わる人材確保のため

なぜこの制度ができたのか、というと、保育にかかわる人材確保のためです。保育はこれまで、低賃金で拘束時間が長いとマイナスなイメージがありました。離職率が高く、新人の4人に1人が退職するというデータも存在します。

待機児童も社会問題となっており、打破するために保育に関わる人材を確保するために精度を設けました。賃金が低い保育士にとって、家賃が負担してもらえるのはとても助かります。生活の質を上げることで、離職を抑えようという取り組みです。

宿舎借り上げ制度の補助金額は?

宿舎借り上げ制度の補助金額は、東京都で一律82,000円です。区によっては、金額の上乗せや、区外に住む人の補助額を上げるなどの違いがあります。国が決めた制度23区外では対応していない保育園もあるので、就職時に確認しておきましょう。

東京都は一律82,000円

東京都は一律82,000円の補助が出ます。内訳として、半分は国の補助、もう半分が東京都と各自治体の補助です。東京都の家賃相場は平均で10万円。そのうちの8割を負担するので、かなり固定費の負担が減ります。自分が出せる余裕を考えて、少し家賃の高い家に住むという選択肢が出せることもメリットです。

23区外は適応していない場合も

23区外は補助の対応をしていないところもあります。自治体によって異なるので、募集要項や面接などで確認しましょう。また、23区内でも補助額が異なる区があります。住所が区内か区外かで補助額が違うので、希望勤務地がどのように制度を適応させているのかを知っておくべきです。

わからず82,000円だけを頭に入れていると、損をしてしまう場合があります。できるだけ安く物件を借りるために、制度の適応範囲や金額を確認してからエントリーするのも方法のひとつです。

同棲や結婚していても利用できる?

同棲や結婚をしていても制度の利用は可能です。しかし、単身者のみや正社員優遇といった条件がある可能性は高いので、各保育園への確認は必須。パートナーが家賃補助を受けていると、保育園からの補助が受けられないことがあるので、こちらも確認しておきましょう。

基準は保育園による

同棲や結婚をしている場合でも、制度は受けられます。しかし、基準は保育園が決めているので、職場によっては物件に住めないなどの制限がかかるかもしれません。すでに借りている家も家賃補助の対象となっているかを知る必要があります。

また、制度を受ける前提で保育園を探すのであれば、募集要項に明記されているか、保育園のホームページに記載されているか、などの情報収集をしましょう。

各自治体や保育園の条件を確認しよう

詳しい条件は、保育園個人が定めています。各自治体によって条件を変えていることもあるので、居住区や職場のある区の条件を比べ、メリットの大きい場所で職場を探すのもよいでしょう。保育士にとって、家賃補助はとても大切な福利厚生です。

生活の質がガラリと変わります。各自治体や保育園の条件を確認することで、自分の暮らしを変えることになるので、条件の確認はマストです。

東京で保育士の家賃補助が手厚いエリアは?

千代田区:都心の利便性と豊富な支援

千代田区は東京都の中心に位置し、多くの保育士に人気の高いエリアです。東京都の保育士宿舎借り上げ支援事業では、国と都が3/4、区市町村が1/8を負担し、合計で7/8が行政によって補助されます。

また、千代田区では区内に住む保育士に対して、月額4万8,000円までの家賃を全額負担する追加支援が提供されているのも魅力的です。家賃上限が8万2,000円に設定されているため、高額な家賃負担を軽減でき、働きやすい環境が整っています。

港区:高級住宅地での充実した補助

港区は高級住宅地として知られていますが、保育士向けの家賃補助も充実しています。区内で働く保育士には、家賃の一部が補助され、高額な家賃負担を軽減できます。

港区も独自の支援制度を設けており、区内に住む保育士には月額3万円の7/8、すなわち26,250円までの補助が提供されるのです。おしゃれな街並みと公共施設の充実もあり、快適な生活環境が魅力です。

港区のサポートを活用し、安心して働ける環境を手に入れましょう。

渋谷区:若者と家族に優しい街

渋谷区は若者に人気のエリアであり、保育士への家賃補助も整っています。区内で働く保育士には家賃の一部が補助され、若い保育士の経済的負担を軽減します。

さらに、渋谷区は家族に優しい環境も整備されており、公園や子育て支援施設が豊富です。引っ越し費用の補助もあるため、地方からの移住者にもやさしいエリアです。
渋谷区の支援を活用し、おしゃれで快適な街で充実した生活を送りましょう。

新宿区:利便性と充実のサポート

新宿区は都心の中でも利便性が高いエリアです。公共交通機関が整っており、通勤に便利です。
新宿区で常勤の保育士として働くと、家賃補助が受けられます。家賃の上限8万2,000円に対して7/8が補助され、具体的には家賃の7万1,750円までがカバーされます。

もちろん、共益費、礼金、更新料も対象です。保育士が働きやすい環境が整っており、安心して都心で働けるでしょう。

豊島区:若者に人気のエリア

豊島区は若者に人気があり、保育士への家賃補助も充実しています。区内で働く保育士には、家賃8万2,000円に対して7/8の補助が受けられ、上限7万1,750円まで支給されます。

隣接区に住む場合は、上限が6万2,000円です。補助対象には賃借料、共益費、礼金、更新料が含まれ、常勤または契約条件を満たす保育士が対象です。

豊島区はショッピング施設や飲食店が多く、生活に便利な環境が整っています。公共交通機関も充実しており、安心して働きながら快適な生活を送れます。

まとめ

東京都の宿舎借り上げ制度は、保育に関わる人材確保のために作られた制度です。家賃の全額もしくは一部を国や保育園が負担することで、離職や再就職への尻込みをなくそうという目的があります。

東京都は82,000円の負担が最低限となっており、区によってはもう少し高い額の補助が出る地域も存在。一人暮らしをする人にとって、大きく生活の質が変えられる補助です。同棲や結婚をしていても制度が受けられます。

しかし、単身者のみや家賃補助のみ受けられるなどの制限があるケースも考えられるでしょう。条件は各保育園や自治体によって違う場合があるので、職場に確認してください。

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保育のソムリエ(株式会社ジョブイット)の画像 引用元:https://job-it.jp/

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